~保安基準における安定性の重要ポイントをわかりやすく解説~
自動車の保安基準には「安定性」という項目があり、その中でも重要な検査要素のひとつが
最大安定傾斜角度です。
これは特に車高変更車(リフトアップ車・改造車)やSUV、ジムニーなどでは
車検時の重要な判断要素になります。
下記URLにて最大安定傾斜角度の計算についてさらに詳しく解説しています。
最大安定傾斜角度の計算 – 車検・ジムニー・ゲーム攻略ブログ
最大安定傾斜角度とは何か?

最大安定傾斜角度とは、
車両が横方向に傾けられたとき、転覆せずに静止できる限界の角度
のことを指します。
簡単に言うと
「どこまで傾けると倒れるのか」を確認する安定性の指標です。
関係する保安基準
最大安定傾斜角度は、主に以下の考え方に基づきます。
- 道路運送車両の保安基準(安定性)
- 改造車の安全性確認
- 重心位置と輪距の関係
特に車高が高くなるほど転倒リスクが上がるため、
リフトアップ車は要注意項目です。
最大安定傾斜角度の基準値
最大安定傾斜角度の基準は以下のとおり
- 空車状態で、自動車を左側及び右側に、それぞれ35°まで傾けた場合に転覆しないこと。
- 車両総重量が車両重量の1.2倍以下の自動車(2シーターや特定の特種自動車等)は30°まで
- 側車付二輪車は25°まで
※数値は設計条件や車両構造によって異なります
最大安定傾斜角度の計算式
重心高の算出
H=W・Z +W・Z +W・Z +・・・・・W・Z / W
H :重心高
W1、W2、W3、・・・Wn :第1~n番目の部分の重量
Z1、Z2、Z3、・・・Zn :第1~n番目の部分の重心位置の垂直方向の距離(車軸自動
昇降装置付きの自動車については、車軸を上昇させた状態にお
ける距離)
W :設計時の車両重量
安定幅の算出

右側 Br=cosαwfι・Tf+wrι・Tr / W
左側 Bι=cosα(wfr・Tf+wrr・Tr) / W
tan α=Tr−Tf / 2L
Br :右側安定幅
Bl :左側安定幅
Tf :前車輪の輪距
Tr :後車輪の輪距
L :軸距
w :車両重量
wfl :左側前輪荷重
wfr :右側前輪荷重
wrl :左側後輪荷重
wrr :右側後輪荷重
α :前後車輪の接地部中心点を結ぶ直線が、車両中心線と交わってなす角度
G :重心位置
最大安定傾斜角度の算出
右側 β=tan Br / H
左側 β=tan Bι / H
β :最大安定傾斜角度
H :重心高
Br :右側安定幅
Bl :左側安定幅
かなり複雑な計算式になります。
さらに、基準値に対して5°以上の余裕がないといけない決まりがあるので、基準値が35°の場合は、40°以上の計算値が必要となります。
下記URLでは最大安定傾斜角度の計算について徹底解説しています。
計算上では、
- トレッド(軸距)が広い → 安定する
- 重心が高い → 不安定になる
という関係になります。
下記URLにて最大安定傾斜角度の計算についてさらに詳しく解説しています。
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リフトアップ車で注意すべき理由
ジムニーのようなクロカン車は、
もともと車高が高く重心も高めです。
そこにさらに
- リフトアップ
- 大径タイヤ
- ルーフラック
などを装着すると、重心が上昇し安定性が低下します。
検査実務では以下の点に注目します。
- 車高の過度な上昇
- 足回り改造の有無
- 構造変更の必要性
- 走行安定性への影響
検査現場での実務的な見方
軽自動車検査や改造車確認では、
最大安定傾斜角度を直接測定するケースは稀ですが、
次の観点で「安定性不良」と判断される可能性があります。
チェックされやすいポイント
- 極端なリフトアップ
- トレッドが狭い状態
- 上部重量物(ルーフ装備)
- サスペンション変更による重心上昇
「外観上明らかに不安定な車両」は、総合的に安全性の観点で判断対象になります
最大安定傾斜角度が不足するとどうなる?
最大安定傾斜角度が小さい車両は、
- 横転リスク増大
- 緊急回避時の不安定挙動
- 車検適合性への影響(改造車)
といった問題が発生します。
特にオフロード仕様車やカスタム車では
保安基準適合性の説明が求められる場面もあります。
最大安定傾斜角度についてまとめ
最大安定傾斜角度は、車両の転倒安全性を示す重要な指標であり、
特にリフトアップ車や改造車の検査においては見逃せないポイントです。
車高の上昇や重量配分の変化は安定性に直結するため、
単なる外観カスタムであっても保安基準上の安全性を意識することが重要です。
検査実務の観点からも、
「重心」「トレッド」「車高」のバランスを総合的に確認することが、
安全かつ適合した車両判断につながると言えるでしょう。


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