― 自動車検査員・整備士向け実務ポイント解説 ―
トヨタ ハイエースはカスタムベース車として非常に人気が高く、
足回り・灯火類・外装・車体寸法など多くの改造車が存在します。
そのため車検現場では
「保安基準に適合しない改造」に遭遇するケースが多い車種でもあります。
本記事では、整備工場や検査ラインで実際に多い
「車検で不合格になりやすい改造」を技術的視点で解説します。
① タイヤ・ホイールの突出
よくある改造

- オーバーフェンダー装着
- 深リムホイール
- ワイドトレッドスペーサー
- 大径タイヤ
ハイエースは
フェンダーからタイヤが出やすい構造のため注意が必要です。
保安基準のポイント
道路運送車両の保安基準
外装の技術基準
タイヤは
フェンダーより外側に突出してはならない
現場でよくあるNG
- ホイールがフェンダーより外
- スペーサー装着で突出
- 社外フェンダー未構造変更
② 車幅変更(オーバーフェンダー)

ハイエースはオーバーフェンダー改造が非常に多い車両です。
保安基準
車幅変更
±20mm以内
→ 構造変更不要
それ以上
→ 構造変更必要
よくある不合格
- 30mmオーバーフェンダー
- 構造変更未実施
- フェンダー固定不良
③ ヘッドライトの光量不足
ハイエースに限らず、車検において非常に多い不合格原因です。

主な原因
- 社外LEDバルブ
- 社外HID
- 光軸ズレ
- 劣化リフレクター
保安基準
ロービーム光量
6400cd以上
ヘッドライトの向き(光軸調整)
特に多い車両
- 200系1〜3型
- ハロゲン車
整備ポイント
- 純正LED交換
- ヘッドライト研磨
- 光軸調整
④ 社外テールランプ
ハイエースでは社外テール装着率が非常に高いです。

不合格例
- リフレクターが備えられていない
- LED切れ(一部分でもNG)
- シーケンシャルウインカーで、光が垂直に流れるもの
保安基準
ブレーキランプの色は赤色であること
バックランプの色は白色であること
ウインカーの色は橙色であること
シーケンシャルウインカーは、内側から外側へ、横方向に流れること
各ランプの照明部分の面積は20cm²以上であること(リアスモールは15cm²以上)
最近多いトラブル
安価な海外製テールランプで車検非対応(Eマークのない認可未取得品)
車検対応と書いているが、実際は非対応のものが多い
⑤ マフラー交換

ハイエースではスポーツマフラーも多いです。
保安基準
近接排気騒音、定常走行騒音、加速走行騒音
| 車両 | 規制 |
|---|---|
| 平成12年以降 | 97dB |
よくある不合格
- JQRやJARI、JMCAといった公的機関の未認証(加速走行排気騒音に非対応)
- 触媒変更または取り外し(排出ガス試験結果成績書の未提出)
- マフラー交換時の接合部からの排気漏れ
⑥ キャンピングカー改造
近年急増しています。

注意項目
- キャンピング仕様に変更するため、シートを取外し車検証との乗車定員の相違
- キャンプに必要な装置(ベッドや冷蔵庫、電源増設など)の備え付けによる重量増加
- 荷物を積むスペースの喪失
などの構造等変更検査未実施
よくあるNG
- 乗車定員の相違
- 重量オーバー(1ナンバー車は100kg、4ナンバー車は50kgまで)
- キャンプに必要な装置取付けによる荷室の喪失(1m²以上必要)
⑦ 仕切り棒

意外と見落としがち
保安基準
最大積載量が500kg以上の場合、
乗車スペースと積載スペースを仕切るものが必要
NG例
近年、つっぱり棒がNGになりました。
⑧ ハイエース検査のまとめ
ハイエースは改造車率が非常に高い車種
です。
そのため検査では
必ず確認するポイント
- タイヤ突出
- 灯火類
- 車幅変更
- マフラー
- 突出物
実務で役立つワンポイント
整備工場でよくある相談
「このハイエース車検通りますか?」
その場合まず見るのは
① タイヤ
② フェンダー
③ ヘッドライト
④ テールランプ
この4点です。
まとめ
ハイエースの車検で不合格になりやすい改造は以下です。
不合格トップ項目
- タイヤ突出
- オーバーフェンダー
- ヘッドライト光量不足
- 社外テールランプ
- マフラー
- リフトアップ
- 灯火高さ変更
ハイエースは改造車が多いため、整備士・検査員は
「外装・灯火・車幅」
を重点的にチェックすることが重要です。


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