【対話型解説】第2話「検査不可!?簡易的取付方法の罠!」

六車ガレージ ストーリー
整備士 整子
整備士 整子

検子ぉ!ちょっと教えなさいよ!アタシずっと疑問に思っていたんだけど、
指定外部品のオーバーフェンダーは2cmまでって話したじゃない?

よく指定外部品の幌を明らかに4cmを超えて取付けて走っているけど、
アレって問題ないの?

検査員 検子
検査員 検子

いいところに気づいたわね!

確かに軽トラックって、
4cmを超える幌を取付けて走っている車もあるけど、
実は“取付方法”によっては合法になるのよ!

ポイントは、
その幌が『固定的取付方法』なのか、
それとも『簡易的取付方法』なのかってところね!

整備士 整子
整備士 整子

固定的取付方法』っていうのは、
ボルトやナット、ビスなどでしっかり固定されていて、
工具を使わないと外せない取付方法ってことよね。

じゃあ、『簡易的取付方法』っていうのは何かしら?
粘着テープや針金みたいに、
簡単に取り外せる取付方法ってこと?

検査員 検子
検査員 検子

幌って“指定外部品”ではあるけど、
れっきとした自動車部品の一つなのよ。

以前にも解説したけど、自動車部品の取付けで、
粘着テープや針金だけによる固定は基本的に認められていないの。

そして、ここでいう『簡易的取付方法』っていうのは、
主に“蝶ネジによる取付け”みたいに、
工具を使わず手で簡単に脱着できる取付方法が該当するわ!

整備士 整子
整備士 整子

つまり、蝶ネジで取付けていれば、
4cmを超えていても問題ないってことね!?

検査員 検子
検査員 検子

極端すぎるわよ…。
こんなの、誰が見たってアウトだわ…。

でも、“なんとなくダメ”じゃ説明にならないから、
ちゃんと根拠を示して説明しなきゃ。

整備士 整子
整備士 整子

もし幌が蝶ネジ止めなら、
何cm大きくしても大丈夫ってことよね!?

これなら荷物もたくさん積めそうだし、
お客さんに教えてあげたら喜ばれるかも!

検査員 検子
検査員 検子

そこを勘違いしちゃダメよ!
確かに、指定外部品は簡易的な取付でも
認められるケースはあるわ。

でもね、だからって無制限に
寸法変更していいわけじゃないの。
保安基準では、自動車の高さには上限があって、
3.8mまでって決まっているのよ。

これは、指定外部品を簡易的に取り付けた場合でも同じ。
もちろん、指定部品をボルトやビスで
しっかり固定した場合でも同じよ。

整備士 整子
整備士 整子

ってことは、
高さが3.8mを超えなければ、
蝶ネジで取付けても全部OKってことなのね?

……そんな単純な話なら、
みんな好き放題改造してるわよねぇ

検査員 検子
検査員 検子

残念だけど、
そう単純な話でもないのよ。

まず、うちの工場って、
そんなに大型車を扱うような設備じゃないから、
高さ2.5mまでの車両しか入れないの。

それに、警察庁が所管している
『道路交通法』の関係で、
軽自動車は高さ2.5mを超えると、
通行区分や通行条件の制限に抵触する
可能性があるって話もあるのよ。

軽自動車の高さ制限とは

  • 車両そのもの:2.0m以下
  • 荷物を含めた走行時:2.5m以下

と定められています。

2.0m以下という規格は、道路運送車両法の「軽自動車規格」が根拠です。

また、2.5m以下という制限は、道路交通法の積載物制限が根拠で、
軽トラの幌や荷物を含めた高さを指します。

つまり、
「軽自動車が2.5mまでOK」ではなく、2.5mは積載状態で走行できる上限です。

整備士 整子
整備士 整子

えぇ~!?

3.8mまではOKって言ってたのに、
今度は2.5mはダメって話になるの!?

もう法律だらけで、
ワケ分かんなくなってきたわよ~!

しかも、その2.5mの話って
道路交通法の話なんでしょ?

アタシたち整備士や検査員って、
保安基準とか道路運送車両法を見てるんだから、
そこまで気にする必要あるの?

検査員 検子
検査員 検子

私たちは、
道路運送車両法だけ守っていればいいって
わけじゃないのよ。

他の法令との関係も含めて、
総合的に安全性を考えていくことが大切なの。

それに、幌だからって極端に車高を上げすぎると、
走行中に強い風の影響を受けて、
横転する危険性だって出てくるわ!

“取付方法さえ守れば何でもOK”っていう
話じゃないのよ。

整備士 整子
整備士 整子

確かにそのとおりね。
強風で横転しそうなのは容易に想像できるわ。

でも、それって
保安基準で直接NGになる項目はあるの?

検査員 検子
検査員 検子

“安定性”っていう項目があって、
その中に『最大安定傾斜角度』っていう基準があるの。

実際に車を横方向へ35°まで傾けたときに、
横転するおそれがないかを確認する基準ね!

“安定性”『最大安定傾斜角度』とは

空車状態において、自動車(二輪自動車及び被牽引自動車を除く。)を左側及び右側に、それぞれ35°(側車付二輪自動車にあっては25°、最高速度20km/h未満の自動車、車両総重量が車両重量の1.2倍以下の自動車又は積車状態における車両の重心の高さが空車状態における車両の重心の高さ以下の自動車にあっては30°)まで傾けた場合に転覆しないこと。

整備士 整子
整備士 整子

そんな恐ろしい検査があるの!?
35°って結構な角度じゃない?

検査員 検子
検査員 検子

実際に車両を傾けて確認することは少なくて、
多くの場合は車両重量やタイヤのトレッド、
重心高などの数値から計算して立証するの。

特に軽自動車は車両重量も軽いから、
重心高変化の影響を受けやすいのよ。
さらにトレッドも狭いから安定幅も悪いし、
倒れやすい性質があるわね。

幌は重ければ重いほど、
そして高さが高ければ高いほど、
どんどん不利になってくるわ!

整備士 整子
整備士 整子

確かに、
こんな基準があるなら、
簡単に幌を高くしすぎるのは危険ね!

ただ積めればいいってわけじゃなくて、
走行安定性とか安全性もしっかり
考えないとダメなのね…。

検査員 検子
検査員 検子

取付方法や、
指定部品・指定外部品かどうかに関係なく、
まず大事なのは“各保安基準に適合していること”よ!

『簡易的取付方法だからOK』
『指定部品だからOK』

――そんな単純な話じゃないってことね。

灯火器や視界、軸重限度、安定性みたいに、
関係する保安基準をきちんと満たしているかを
総合的に確認することが重要なのよ!

整備士 整子
整備士 整子

つまり――

『蝶ネジだから無敵!』
『指定部品だから全部セーフ!』

……なんて都合のいい話は、
さすがに存在しないってことね!
もはや“保安基準との知恵比べ”じゃないの~!

今回のポイント

  • 「指定部品だからOK」ではなく、各保安基準への適合が重要!
  • 「簡易的取付方法」でも、何でも自由に大きくしていいわけではない!
  • 車高を上げすぎると、安全性や他法令との関係も問題になる!

注意事項

本記事は、保安基準・審査事務規程等を基にした解説記事であり、内容は執筆時点での見解を含みます。

実際の車検では、

  • 車両状態
  • 取付方法
  • 地域運用
  • 検査時の状態

などによって判断が異なる場合があります。

改造や部品取付けを行う際は、事前にディーラー・整備工場・ショップ等へご確認ください。

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